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○○○○年○月○日
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高校生の時、国語の授業で印象に残った課があった。「シェークスピア的生き方と、ゲーテ的生き方」というような題で、作者も細かい内容も忘れてしまったが、シェークスピアとゲーテを例にとって二つの生き方を提示した随想だった。
前者は何か一つの事について、トコトン深く関わって行く生き方で、後者は色々な物事に関わって幅広い教養を身につけていく生き方である。
シェークスピアとゲーテがその二つの生き方の代表的選手であるかどうか分からないが、国語の先生が「君達はどう生きるか」と迫るような授業をしてくれたためか、「自分はどっちを選ぶべきか」という思いをその後抱き続け、いつのまにか50年経ってしまったような気がする。
一体自分の生き方は何だったろうなと考えてみると、上のような方向性もなく、目先の事に這いずり回ってきたようだ。「ゴキブリ人生」というやつか。
短期的に見ても、やろうとしていることに集中して仕上げてしまうタイプの人と、期限を決めず、色々なことをしながら、やりたいことをのんびりとやるタイプの人がいるように思える。
旅行にも二通りのやり方がある。一つは事前に良く調べ、細かくコースや見学場所を決め、無駄なく旅行することである。もう一つは余り調べもせずコースもそのときの気分任せで決めて旅行することである。
どちらが良いかということは一概に言えないが、イギリスに行った時こんなことがあった。子どもがレンタカーを運転してロンドンから南に向かった。ところが道に迷いグルグル周っていたら、突然小さな町に出た。ちょっとしたアンティークのみやげ物店が並んでいて、そばに古い教会があった。その教会に入ったら独特な歴史のある教会だった。
自分で発見した町・教会ということで強く印象に残っている。パック旅行では決して行かない所だ。人生に言いかえるとかなり年を取ってから、何かを発見し、自分のコースを変えていくのに似ている。
学校の組織の中に進路指導部というのがある。多くの先生は、進路指導というと、生徒に早く目標を決めさせ、入学・就職試験に合格させるために補習授業をすることだと思っているようだ。つまり早いうちからシェークスピア的な生き方をさせようとしていることになる。
しかし、生徒がいろいろ学習する中で、自己を深く認識し、どう生きていったら良いか、という生徒の模索に手を貸すことが本当の進路指導であると思う。その中で自分のやりたいことを見つけ出す生徒もいるだろうし、見つからない生徒もいるだろう。
中学3年間、高校3年間の中で自分の興味を深め学校や職場を選択するのはなかなか難しい。小学校や家庭でも広い意味での進路指導が必要だと思う。
小さい時からの英才教育の下で花開いた芸術家がよく目に付く。これは上に書いた、シェークスピア的生き方だろう。一方、一芸に秀でているわけではないが、幅広い考えを持ち、世論をリードして行く人がいる。これはゲーテ的生き方だろう。
しかし、そのどちらにも属さないでキラキラ輝いている人が大勢いる。つまり、上に書いたように、生き方の理想をきちんと二つに分けるのは、どだい無理な話しなのだろうか。
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発行:わたらせ教育フォーラム(略称:WEF)メールマガジンクラブ