●学校評議員制
(清水一郎、塾経営、桐生市、「共育つうしん」70号、2003年6月掲載)

 学校行事である運動会や学芸会、学園祭の公開は、古くから行われてきました。最近では、さらに授業参観なども、保護者だけでなく、地域住民にも公開する例が増えてきました。また地域のボランティアを講師として迎えている学校もあるようです。数年前には公立学校でも学校評議員制が導入されました。とかく閉鎖的といわれてきた学校も、しだいに地域に開かれたものになりつつあるかのようです。

 開かれた学校であることを印象づけるために、学校行事などを公開することは、おそらくもっとも安易なパフォーマンスだろうと思います。公開する場が多いのは結構なことだと一般的にはいえますが、それだけで学校管理者としての責任を果たしたことにはならないでしょう。学校運営は学校長の専権だからということで、重要な決定の場で周囲の意見に聞く耳を持たないのであるならば、いくら行事を公開する頻度が多いからといっても、それでは開かれた学校とはいえません。

 知人が、学校評議員の実態がよく見えないと言っていました。わが子の通っていた中学校について、私もそう感じています。1年前の新学期、学校だよりを通じて保護者に、市教委から委嘱された学校評議員の名前が紹介されました。その後は評議員にかかわる動きなどが、保護者に紹介されたことはなかったように記憶しています。かつて私がPTA本部役員をしていた高等学校では、当時新聞報道で学校評議員制が採用されたと報道されたものの、学校からは保護者へはおろかPTA本部役員にも氏名は知らされませんでした。本部会の場で、PTA会長が自ら評議員に委嘱された事実を報告しただけでした。

 公立学校の学校評議員制というものは、学校法人や大学の評議員会のような意思決定機関ではありません。学校評議員会という機関が公立学校内に設けられるわけでもありません。学校長の権限に属する事項について、個々の評議員が個別に学校長に意見を述べる存在にすぎません。いわば学校長の相談相手でしかないのです。先日、中学校の評議員の一人であるPTA会長から個人的に話を聞いたところ、5人の評議員が一堂に会する機会は、年3回ということでした。彼も、評議員制をうまく機能させるようにするのはなかなか難しいと言っていました。

 評議員の人選は学校長が行います。PTA会長は、どこの学校でも保護者代表として評議員の一人に委嘱されているようです。そのほかとなるとどうでしょうか。学区内の団体の代表などの役職者を網羅した場合、地域の協議会や審議会などと同じ顔ぶれになりかねません。これではあまり意味をなしません。自分にズバリ直言してくれるような評議員を選ぶ度量が当の学校長にあるかどうかが問題です。どうやら学校評議員制がうまく機能するかどうかは、学校長の姿勢次第ということのようです。

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