●新時代のWEFを考える
(浅野良雄、WEF会員、桐生市、「共育つうしん」63号、2002年4月掲載)

 最近、WEFの活動は今のままでいいのだろうかと考えることがあります。

 それは、WEFを取り巻く社会環境が大きく変化してきたからです。特に感じるのが、国や地方行政の新しい動きです。つまり、ここ数年、目に見えて「民間の活力」を取り込もうとしています。従来なら、市民活動団体やボランティア関連団体が提言したり独自に行なってきた活動を、行政が支援することもあれば、さらにそれらを行政が独自に行なう時代になってきました。

 WEF関係だけに限っても、いろいろな変化があります。そのいくつかをまとめてみます。

 10年ほど前にWEFが独自に行なった調査研究活動の結果わかってきた中学生の部活動の行き過ぎた実態は、数年前に前群馬県教育長によって指摘され、だいぶ改善されたようです。また、8年ほど前に、WEFは「不登校について考える会」を開き、その話し合いを受けたかたちで「桐生フリースペース」が発足しました。当時は、不登校関連の市民団体は県内では数えるほどしかありませんでした。

 科学や英語などを、遊びを通して楽しく学んでもらおうと、子どもたちを対象に行なってきた「いきいき何でもスクール」は、今でいう「地域の教育力の活用」や「学校週5日制に対応する子どもたちの教育環境作り」という動きです。身近な人を講師にして学ぼうという趣旨で開いてきた「ミニ講演会」や「学校の社会への開放」という提言は、「学校図書館補助員、心の教室相談員、学校内でのボランティアによる読み聞かせや福祉体験授業、総合的な学習での市民講師」のような形で実現しつつあります。

 こうして、従来なら、自分の子どもの授業参観やPTA活動でもなければ入る機会のほとんどなかった「学校」に、一般市民が入れる機会がかなり多くなっています。

 手前みそになりますが、これらを振り返ってみると、WEFが提言し、また実行してきたことが様々な形で現実化しています。もちろんWEFの力が直接及んだと言うつもりはないのですが、WEFが見つめてきた方向が間違っていなかったということは言えるのではないかと思います。

 そしてごく最近、「学校週5日制」や「総合的な学習の時間」の導入に関連して、行政が民間活力を積極的に使おうという動きがますます出てきています。ちょっと余談ですが、数年前までは、地域の教育機関として公には認知されていなかったかのようにみえる学習塾にまでも、行政側から声がかかる時代です。

 そんな時代を迎え、発足当初から先を見越した提言をしてきたWEFとして、この流れに協力(もちろん、言うべきことは言いながら)するのか、それとも、さらにその先を行くのか、または両方を並行して進めるのか。こういうことを話し合う必要に迫られているのではないでしょうか。

 もしかしたらWEFの活動を根本から見直すことになるかもしれないくらい変化の大きい現状の中で、WEFの今後の活動を考えることは、わたしたち一人ひとりが今後の日本の教育を考えることに繋がるのではないかと思っています。

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