このコラム「教育NOW」の初回を書く事になった第40号に、「中学で英語をどうやって教えているのか授業参観をしたくなりました」と書いたところ、ある人が桐生市立菱中学校の校長先生に話をしてくれた結果、どうぞ授業参観日に来てくれという話になり、当日いそいそと出かけていきました。
私の経験では、学校内で先生同士が授業を見せ合うことはほとんど無く、県内の中学や高校で一年に一回催していた英語の「研究授業」を見た記憶があるくらいだったので(アメリカンスクールや朝鮮学校の英語の授業は割に最近見ました)、興味を持って見学する事ができました。先生は「いろいろ工夫をしている」「生徒の主体的な取り組みを引き出そうとしている」「適所で正しい発音の指導をしている」「視覚教材をよく使っている」「グループ学習をうまく組み込んでいる」「生徒一人一人によく目を向けている」、一方生徒は「始めの内は少し緊張していたがだんだん慣れてきた」「概してよく発表していた」等の印象を持ちました。
この授業は Is this A or B?の選択疑問文に慣れる事がポイントだったと思います。これを練習する時間が十分あり、生徒も自宅でよく口慣らしをしてくれば、大多数の生徒はどんどん英語で応答できるわけですが、現実はなかなかそうは行きません。先生が勝手に生徒の人数を減らすこともできず、英語を話さなくては生活できない環境を日常生活の中に作ることもできません。そこで先生がいろいろ授業内容を工夫することになるのでしょう。
この授業では生徒をグループに分けて上記の質問を工夫して作らせ、質問内容の絵を描かせる作業がありました。その後グループ代表の生徒が前に出て描いた絵を見せながら他のグループに質問をしました。あるグループは魚の絵を描き、その尾鰭の部分を見せて Is this a fan or a fish?と聞き It's a fan. と答えたら、No, it's a fish. と言って魚の絵の全体を見せる趣向なのですが、実際に生徒が It's a fish. と答えたか It's a fan. と答えたか覚えていません。面白い有効なグループ活動だと思いました。はっきりと分かる鉛筆を指してIs this a pen or a pencil?では何ら面白くもないわけですから。
授業の流れを忘れてしまったので、大分後になってその先生に電話を掛けて聞いた所、特に準備する時間もなかったので自分も忘れてしまったという事で、見せる事を意識した授業でないということが分かり却って安心しました。グループ活動で判じ物を解くような遊びの時間にあまり重点を置くと、生徒にきちんとした英語を身に附けさせられないのではないかという反省がある、というようなことを言っておられましたが、なるほどと思いました。最近は教科書自体も遊びに近いようなものを多く取り入れてきていますので、そのことは教科書作りの示唆にもなると思いました。
学校公開と言う事が最近多く言われていますが、おかげ様で中学の英語の授業が良く分かり勉強になりました。
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