●「桐生フリースペース」開設5周年記念研修会に参加して
(内山 かず、WEF会員、「共育つうしん」53号、2000年8月掲載)

 自分は日本語を話しているし、相手も日本語を話しているのに、どうも会話が成り立っていないようなことはありませんか。「そういうこと言ってるわけではないのだけれどな……」と思うこと、私はよくあります。言いたいことがうまく言えないもどかしさや、相手がまだ言い足らないように思えるときなど、どうも会話がしっくりこない。これでは英会話どころではないぞ、といつも思うのです。
 
 私の頭、ヘンなの? と思うことさえあります。そして、そのまま会話が終わってしまったり、話したくない気持ちに至ってしまったときは、何とも残念な嫌な重い気分になるものです。このような、会話下手を少しでも解消していきたいという思いで、今回の研修会に参加しました。

 本研修会は、桐生市立青年の家の和室で行なわれました。冷房の効かない部屋の中で、前半は参加者10人弱が輪になって非構成的エンカウンターを行ないました。エンカウンターは「出会い」と訳され、心と心のふれあい、本音と本音の交流を意味します。私はそれほどエンカウンターの体験が多くありません。正直、戸惑う気持ちの方が強いです。なぜなら、日常生活ではそう簡単に本音を出す機会は多くありませんので、どこまで出していいものか、また、どこまでが自分の本音なのか、わからなくなってしまうのです。
 
 そして、自分に正直になろうとすればするほど、言葉が虚しくなってしまいそうな不安を覚えたりします。そんな中で、自分の気持ちを探りながら午前中は過ぎました。午後は各人が午前の体験の中で感じたことを出し合いました。時間が短かったことが残念でしたが、初対面の方々を交えた中で感じたことを言葉にして表現したり、他の人の感じたことを聴くという体験は貴重なものとなりました。これはいつでもどこでもできるというものではなく、初めて参加された方や、このエンカウンターグループの場を設けて下さった桐生フリースペースのスタッフの方々、特に、ファシリテーター役の浅野先生のお力によるものだと思います。この場をお借りしてお礼申し上げます。

 そして最後は〈対話法〉でした。ここでも私は気持ちの上で立ちすくんでしまいました。何度かカウンセリングの学習会で練習していたはずなのですが、確認者になった場合、思うように発言者の言うことを確認できません。とても不自由さを感じました。なめてかかっていたわけではないのですが、以前の方がやり易かったように思います。やればやるほど難しいという気もします。そして、改めて大変なところに足を踏み入れたものだと思いつつ、この難しさを投げ出さずに抱えていこうと小さな決意をした1日となりました。

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