●部活動の見直しを応援したい
(清水一郎、WEF会員、「共育つうしん」32号、1997年2月掲載)

 この時期になると、来たるべき新学期を前に小学6年生は、中学生になったら何部に入ろうかと期待感を持ったり、逆に気掛かりであったり、中学校での部活動に良くも悪くも異常な関心を持つようになります。持たざるを得ないと言ったほうがよいかもしれません。これから3年間通うことになる、自分の通学区の中学校での部活動の様子は、きょうだいや友人を通じてある程度知っているからです。

 現在多くの中学校では、形式的には自由入部ではあるとしても、事実上心理的にいずれかの部活動に入部することが強制されていると言っても過言ではありません。しかも各中学校に設置されている部活動の多くは運動部で、多くはない種目の中から3年間続けるスポーツを選ばなければなりません。スポーツの苦手な子どものための文化部というものは、ほんの1つか2つしかないのが実状です。

 入学当初の1か月ほど、体験入部ということで、自分に合った部を見つける機会が与えられるのが通常です。しかし、いったん正式に入部をしたあとでは、よほどのことがないかぎり他の部に移籍したり、退部したりすることは困難なようです。そのため入部したものの、種目が自分に合わなかったり、チームメイトや指導教師との人間関係が修復不能なまでに悪化したりした場合でも、逃げ場がないままでひとり悩むことになります。余暇利用として本来楽しかるるべき部活動が、不登校の原因の1つになっているのは、悲しむべきことです。

 技量の向上をめざすことは、スポーツそのものの性質として当然だといえるでしょう。しかし、試合に勝利することが部活動の中心目的になってしまったとすれば、こんな不幸なことはありません。そしてこの不幸が往々にして中学校部活動の中に見られるのです。

 我がわたらせ教育フォーラムでは、何年も前から中学校のいきすぎた部活動について警鐘を鳴らしてきました。そんな中、教育現場でもようやく勝利至上主義の部活動を見直そうという動きが、昨年6月の県の教育長の発言をきっかけに始まりました。秋になると県中学校校長会でも、練習時間を2時間程度にする、朝練はなるべく行わない、週に1回はノー部活デーを設けるなどの申し合わせをするに至っています。この2月、県の市町村の教育長の会合でも、部活動のいきすぎの是正に向けての話し合いを行ったとの新聞報道がありました。

 これら一連の動きは評価すべきものと思います。「児童福祉畑出身の県教育長は部活指導の現実を知らない」などとうそぶく教育現場の声があるそうですが、そんな物知り顔の部活指導者や一部の親たちの反対運動につぶされないよう、県教育長の正しい選択を応援したいものです。

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