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去る5月16日に開かれた某公立高校PTAの総会をもって、長かったPTA本部役員を降りました。この3年間の高校の本部に先立って中学校での本部1年と学年委員1年がありましたから、5年間PTA活動を体験したことになります。
小学校ではPTA活動をしなかったので、初めての経験である中学校PTAは新鮮でした。多少の意気込みをもっていたことも、そう感じる原因だったかもしれません。高校では、親として学校教育にかかわる度合いは、中学校に比べおのずから小さいように感じます。その理由は、第1に高校生はおとなに近いため、生徒会活動を通じて教師たちと協議することが可能であることです。第2の理由は、高校はそれぞれ進学校であったり、おもに職業教育を目指したり、また私立高校にあっては独自の教育方針があったりして、学校のカラーがある程度特定していて親たちの口をさし挟む余地が比較的小さくなっていることです。
それにひきかえ中学校では、親たちの活躍する余地は十分過ぎるほどあります。同じ生徒会の名称であっても、中学校と高校とでは雲泥の差があります。学園生活について生徒たちが自治的に議論し決定し実行する際、ときには教師の側と利害の対立が生じることもあり得ます。中学校生徒会であっても、教師たちから一方的に教育指導される存在ではないと私は考えますが、いざというときには教師とは違うおとなの立場から、親たちが、子どもたちをバックアップしてやる必要があると思います。
PTAは、名目上は Parent-Teacher Association として、親たちが教師たちとともに、子どもたちの教育について学び、協議する場であるはずなのですが、現実にそのように機能するのはなかなか難しいようです。昨年9月のWEF特別例会トーク&トークの中で、PTA会長の立場について議論になりました。PTAとは別に保護者会ないし父母会を作ってそこに親たちの意見を集約する機能を持たせるべきだという意見が、PTAという名目を重視する立場から出されました。私はそれには反対して、どこの学校でも事実上PTAは保護者たちの公的な組織としての機能を持っているのだから、PTA会長は保護者の代表者として、学校を代表する学校長と対等に協議できる存在であっていいのではないかと述べました。教師がPTA活動にかかわる場合、一会員として参加する人はまれで、ほとんどが校務分掌の役目でPTAに接するに過ぎません。したがってPTAの現状は保護者会ないし父母会と変わらないと言っても間違いではありません。それでも現実にPTAが全保護者を代表しているかというと、非常に心もとない気がします。一般の保護者からすると、PTAの学級委員や学年委員や本部役員を自分の意見を代弁してくれる人たちだとは考えていない人が多数だと思います。ちょうど保護者たちが学校はとても敷居の高いところだと感じているのと同様に、民主制という観点からすれば保護者とPTA役員の間の溝は大きいものだと言えます。
それでもPTA役員たちの使命感により、PTAを保護者の代表機関として機能させようと努力する限りは、それなりの存在意義はあります。役員を輪番制で受けても、自分が代表であるとの意識がありさえすれば救われます。4月のPTA役員決めの集会は、多くの場合地獄の針の筵のような場になります。そこで下をうつむいたきり一言も発しない母親たちを責める前に、引き受けた役職にやりがいを感じるようなPTA活動にすることが必要です。全員が負担しか感じないような委員会なら廃止すべきです。じつは役員の大多数にやりがいを感じられないような存在がわが国のPTAの実態なのではなかろうかと私は危惧しています。
先日、中2になる娘の授業参観がありました。学級担任が受け持つ教科の授業を父母に見てもらおうという趣旨で、終始きびきびとした授業を見せていただきました。その晩、娘に、「先生はふだんも今日と同じ授業をしているのか」と尋ねたところ、「全く変わらない」という答えが返ってきました。授業参観用の授業でなかったことにホッとすると同時に、先生の授業の技量に喝采を送りたいと思いました。
ところで授業参観の後、学年の保護者会がありました。クラスの様子を話す各学級担任の報告はよかったのですが、もう一つ学年主任の教師から1時間ばかり一方的に諸注意やらなにやら聞かされている間、「せっかく仕事を休んで来たのにこんな無駄な時間を過ごすのなら来るのではなかったと思っている保護者がたくさんいるだろうな」と考えていました。めったにない対面の機会なのだから、保護者と先生方が双方向から言いたいことを言える工夫ができなかったかと残念に思いました。
この保護者会の司会は学年委員の方たちが担当したのですが、学年の保護者会はいつもこの方式でやっているから他のやり方は考えられなかったのかもしれません。それならばもう少し経験を持っている本部役員のアドバイスがあってもよかったのかもしれません。教師にしても保護者会はこういうものだという決めつけがあったと思います。保護者を一方的にお客様と見るのではなく、学年委員の人たちを家庭教育を担当している側のパートナーと認識してくれたら、違った対応がとれたかもしれません。
PTAは、Parent-Teacher Association として、親が教師とともに、子どもたちの教育について学び、協議する場であるという原点に立って、私は一PTA会員として参加していきたいと思っています。
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