藤井さん
私は「職人になりたかったんです。」
とにかく手に職をつけたかった。高3で周りの子
がどんどん進路を決め、取り残されたような
気持ちになっていたとき、市内にあったこの研究所を見学に来ました。楽しそうだったし親が
もともと着物好きということもあって、和裁の道
を選びました。
和裁は深く知れば知るほど、大変な世界だなと
思います。技術も必要だし、頭も使います。
それにお客さんの着物を縫うわけですから、絶対
に失敗できない。
1枚縫い上げたときの達成感はすごくありますね。
この仕事は、結婚しても子供ができても続けられます。
職人として、目の前の仕事を確実に、コツコツ
やっていきたいなと思っています。
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岡田さん
和裁研究所は両親が経営しているので、その勧めもあって、この仕事に入りました。
じつは保母さんになりたかったんです。でも今は
訪問着や振袖を仕立てられるようになり、楽しさを
実感しています。
絹は生き物で、その日の天気によっても微妙に
変わります。難しさはありますが、それだけにこの
仕事を誇りに思えるようになりました。
来年は助手として教える立場になりますが、自分
の考えや微妙なコツを人に伝えるのはとても
難しい。きちんと説明できるようになりたいですね。
技術的にもさらに上を目指し、皆さんの和服のよさを見直していただきたいと思っています。 |