・「一本縁」とは、真ん中の畳を縁無し畳(四畳半と六畳の場合)や
片側縁無し畳(八畳の場合)を用いて、隣り合った畳の縁が二本
並びとならないよう敷き合わせの妙をつくり出していく事によって
座敷に洗練された美しさとひろがりを表現しようとする関東特有の
伝統技術である。(畳技術大図鑑より参照) |
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・ 町人文化が栄えた元禄年間以降に、数奇屋造りをしつらえた四畳半の座敷で、茶室に属した待合座敷や待合茶屋の他、
風流好みの人々によって六畳座敷や八畳座敷にも取り入れられ、その敷き合わせの妙や風趣が「粋」とされ、その風潮が
多いに高まりました。しかしながら、現在の和室空間においては、それは、もはや過去の話であって、関東にそうした伝統
技術があったことすら、知っている人が少なくなったのが現状です。その理由は、特殊高級ものの造作を注文する人が少
なくなったことや機械のもとで衰えをみせる畳製作技術の衰退や生産システムの合理化や製品の画一化といった社会的
な背景も一因と考えられます。現状は、ほぼ衰退しているに等しいと思われます。(畳技術大図鑑より参照) |
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・ その表現空間は、小座敷を一本縁にすることによって、二本並びの縁の
野暮ったさを取り払い垢抜けた空間が東西南北に無限のひろがりさえ感じさせ
造作の丹念さや洗練された敷き合わせの妙は、畳敷きの味わいと素朴さを「粋」
に印象付けてくれるでしょう。(畳技術大図鑑より参照)
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